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vol.14 「内々定の取り消しは容易にできるか?」 「うつ病罹患者に対する転勤命令」

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2012.7.27                       Since 2011

~ 転ばぬ先の労務管理メルマガ ~

淀川労務協会  “実録”  労務 虎の巻  第14号

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ィス

― 淀川労務協会 -  です。

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このメールマガジンでは、私どもがこれまで顧問サービスとしてご提供してきた
人事・労務・社会保険等に関する事例や情報の中から、特に皆様に知って頂き
たい事例を毎回2ケース厳選しご紹介させて頂いております。

――――目次―――――――――――――――――――――――――――

【ケースNo.28】 [採用内々定]  内々定の取り消しは容易にできるか?

【ケースNo.29】 [転勤命令]   うつ病罹患者に対する転勤命令   

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【ケースNo.28】

内々定を出している新卒の大学生の採用を当社の都合で取りやめたいのです
が問題ないでしょうか?
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現在の一般的な大学生の新卒採用は一般的に以下のようなスキームにより行
われています。

1) 企業の求人・募集(労働契約の申し込みの誘引)
2) エントリーシート提出(労働契約の申し込み)
3) 採用試験・面接
4) 採用内々定
5) 採用内定・誓約書の提出
6) 労働契約の締結
7) 入社式(試用期間を経て本採用)

採用内定は、その対応によっては労働契約の成立と判断される場合もあります
し、例え労働契約は成立せず「解約権留保付始期付労働契約」と判断された場
合でもこれは労働契約の成立と近似なものになりますから、その取消しには厳
しい合理性(新卒の場合は特に)が求められます。

それでは内々定はどうかというと、「事実上は内定とほぼ同じ扱いである内々
定」は別として、一般的な内々定とは正式な内定までの間に企業が新卒者をで
きるだけ囲い込んで他の企業に流れることを防ごうとするものであり、過去の判
例においても採用内々定の通知を受けた就職希望者について会社との間に採
用内定の合意が成立する時期は内定式(一般的にはこの時に正式な内定通知
書を交付する)が終了した後であるとされています。

つまり、採用内々定の段階では会社が確定的な採用の意思表示をしたと解す
ることは出来ず、採用内々定時に会社との間で労働契約の予約あるいは解約
留保権付始期付労働契約その他、いかなる法的効力のある合意も成立したと
認めることは出来ないとされています。

では、ノーリスクで内々定の取消しが可能かというと一概にそうとは言えず、
内々定取消に至った理由が内々定通知時に当然に想定できたものである場合
や、取消しのタイミング、手続きの経緯が不誠実なものである場合には民法第1
条第2項の「信義誠実の原則」に反すると慰謝料等の支払いが求められる場合
もあります。

初めて社会に出ようとする大学生がその採用を取り消されたショックはその後
の就職活動にも大きく影響することですから、まず慎重に内々定を通知する事
が大事であり、止むを得ず内々定を取り消す場合にも取消の必然性をしっかり
吟味し、学生の立場にたって誠意をもって対応するようにしてください。
 
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【ケースNo.29】

休職させるほどでは無いのですが長らくうつ病に罹患している従業員がいま
す。
この従業員を当社の事情(病気が理由ではない)により大阪本社から東京支社
に転勤させたいと考えているのですが、何か気をつけなければならないことはな
いでしょうか?

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使用者による転勤命令権は、就業規則の定めによって成立します。
有効性は、転勤命令の業務の必要性と、その命令がもたらす労働者の職業上
ないし生活上の不利益との比較衡量によって判断されます。
以上を踏まえ、転勤による労働者の不利益が通常甘受すべき程度を著しく超え
ないのであれば、使用者は比較的容易にこの権利を行使することが出来ます。

例えば、青森から盛岡に転勤させられた共稼ぎの女性社員が、家庭の事情に
より母子が別居を余儀なくされるため無効だと主張した裁判(JR東日本事件 
仙台地裁H8.9.24判決)においては、同じ会社に勤務する夫にも転勤の意向
を確認したというプロセスも評価され、通常甘受すべき程度を著しく超える不利
益ではないとされました。

とはいえ、昨今注意しなければならないのはご相談のようなケースです。
一般的な病気であれば特に問題ありませんが、精神疾患は特殊な病気であり
主治医との長年の信頼関係と観察が重要であるとされているため、転勤により
この主治医にかかることが困難となる場合には、「通常甘受すべき程度を著しく
超える不利益」と判断される可能性が十分あります。
難病で転勤先では専門医が見つかりにくいような事案でも同様です。
仮に転勤が契機となり病状が悪化した場合には、会社の安全配慮義務違反が
問われることもあるでしょう。

このような特殊な事情(やむを得ないものに限る)をもった労働者の転勤命令は
極力避けるべきであり、どうしても転勤の必要がある場合には、本人にきちんと
事情を説明した上で出来れば合意の下にこれを行うようにしてください。
 
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☆本件についてのお問い合わせは淀川労務協会コンサルティング業務部門ま
でお願いします。
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