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vol.31 「症状固定した場合の傷病手当金」 「配置転換命令権の有効性」

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2013.12.27                       Since 2011

~ 転ばぬ先の労務管理メルマガ ~

淀川労務協会  “実録”  労務 虎の巻  第31号

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ィス

― 社会保険労務士法人 淀川労務協会 -  です。

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このメールマガジンでは、私どもがこれまで顧問サービスとしてご提供してきた
人事・労務・社会保険等に関する事例や情報の中から、特に皆様に知って頂き
たい事例を毎回2ケース厳選しご紹介させて頂いております。

――――目次―――――――――――――――――――――――――――

【ケースNo.62】 [傷病手当金] 症状固定した場合の傷病手当金

【ケースNo.63】 [配置転換] 配置転換命令の有効性

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【ケースNo.62】

スキーで骨折した従業員が長期欠勤し健康保険の傷病手当金を受給していま
したが、この度、リハビリが終了し怪我の具合が安定してきた為、症状固定と診
断されました。
症状固定ということはこれ以上治療の必要がないという事になりますが、その後
についても引き続き傷病手当金を受給することは出来るのでしょうか?

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まず傷病手当金を受給するためには、以下の4つの要件を全て満たす必要が
あるとされています。

(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
(2)仕事に就くことができないこと
(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
(4)休業した期間について給与の支払いがないこと

ご相談のケースですが、症状固定後の休業が上記(1)の「療養のための休業」
に該当するかが問題となります。
この「療養のため」の基準については、現在、規定または適切な例示が設けら
れていないとされており、これについては今のところ以下の判断(社会保険審査
会 平成20年裁決)がその基準となりそうです。

◆ 少なくとも医学的にみて傷病の症状が固定し治癒の効果が期待できない状
態になれば、当然に「療養」の必要がなくなるとするのは相当ではないと考え
る。そうして、労務不能と認められた者が症状改善の余地を残している場合はも
とより、放置すると症状の悪化が懸念される場合、健康を回復して社会復帰を
果たすために、医療機関で受療する場合に限らず、医師の指示・指導による自
宅等での静養や自主トレーニングを行っている場合も「療養」の範疇に含み、傷
病の性格、症度、治療方法、経過、予後等を考慮し、社会通念に照らし、傷病に
係る所得保障体系の中で傷病手当金制度の趣旨・目的に鑑み、総合的に判断
するのが相当と考えるものである。

簡単に言うと、症状固定化された現状を維持するための自宅静養やトレーニン
グ等についても、医師の指示・指導によるものである事を前提として、総合判断
の上で認められる可能性が残されているということです。

健保組合等のHP等では、「症状固定」=「傷病手当金不支給」と断定した表記
がよく見受けられますが、適切な表現ではありません。

尚、その私傷病により障害年金が受給される事となった場合には、傷病手当金
は調整の対象となりますのでご留意ください。

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【ケースNo.63】

業務上の必要性により従業員を現在の職場から遠隔地の職場に配置転換しよ
うと思うのですが、その有効・無効の基準を教えて下さい。

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使用者は就業規則等の根拠に基づいて配置転換を命ずることになります。
この配置転換命令権は使用者が比較的自由にこれを行使することが可能です
が、かといって無制限に行使できる訳ではありません。

ご相談の配置転換命令は、「業務上の必要性に基づくもの」とのことですが、こ
の場合でも、「労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるも
の」は、人事権の濫用として無効となることがあります。この「通常甘受すべきも
の」を超える基準は、裁判等において以下のとおり判示されています。

【異動命令が無効とされた事例】
1)メニエール病の従業員に対して、通勤に1時間40分以上かかる大阪支社へ
の転勤命令
2)躁うつ病の疑いのある長女、精神運動発達遅延の次女、体調不良の両親の
面倒をみていた労働者の転勤(人選の妥当性を欠くと判断)
3)重症のアトピー性皮膚炎の子を養育する共働き夫婦の夫の東京から大阪へ
の転勤

転勤命令を行う際には、「一般に、労働者の生活関係に影響を与え、特に、家
族の病気の世話、子供の教育・受験、持家の管理、配偶者の仕事の継続、赴
任先での住宅事情等のやむをえない理由から労働者が単身赴任しなければな
らない合理的な事情がある場合には、これが労働者に対し、経済的・社会的・
精神的不利益を負わせるものであるから、使用者は、労働者に対してこのよう
な転勤を命ずるに際しては、信義則上、労働者の不利益を軽減、回避するため
に社会通念上求められる措置をとるよう配慮すべき(帝国臓器製薬事件)」とさ
れており、これらの事情にある場合には転勤命令において一定の配慮が必要と
なりますのでご留意ください。

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☆本件についてのお問い合わせは淀川労務協会コンサルティング業務部門ま
でお願いします。
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