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(blog) 感染症と労務対応のおさらい

 業務部の木村(朋)です。

 韓国でのMERS(中東呼吸器症候群)の猛威は、報道によると収束に向かいつつあるように見えますが、地理的にも近く、ビジネス面での行き来も多いため、日本でも流行する可能性はまだ捨てきれない状況です。ここ数年、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱など、労務管理上において企業として無視できない感染症等の流行が定期的に世界中で発生していますよね。

 そこで今回は、めったに起こるものではないために忘れがちな「感染症と労務対応」について簡単におさらいしておきます。

 厚生労働省HPによると、MERSは二類感染症に指定されています。ちなみに、二類感染症は(1)急性灰白髄炎(2)結核(3)ジフテリア(4)SARS(5)MERS(6)鳥インフルエンザ(H5N1)(7)鳥インフルエンザ(H7N9)、の7種類です。
 もし、感染症のうち一類~三類感染症または新型インフルエンザ等感染症が流行し、その感染症の蔓延を防ぐために都道府県知事が必要であると認めたときは、感染症の種類に応じて、一定の期間について厚生労働省令で定める業務に従事してはならないこと等を都道府県知事が通知します。なお、厚生労働省令で定める業務とは具体的に「飲食物の製造、販売、調整又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務及び他者の身体に直接接触する業務」または「接客業その他の多数の者に接触する業務」のことを指します。
 これらに該当する従業員については法令に基づいて就業が禁止されるため、自宅待機させることになります。この場合、労働基準法上の休業手当を支払う義務があるかという点については、感染症法に基づく就業制限により自宅待機(休業)してもらうことは「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないため、休業手当の支払い義務はありません。具体的には、就業規則の定めに基づいて対応して下さい。

 なお、これらの就業制限が通知されていないものの、自主的に韓国出張帰りの従業員を1週間自宅待機させる場合等は、当然ながら休業手当を支払う必要がありますのでご注意下さい。