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vol.57 「兼職禁止規定の有効性」 「休暇・休業・休職の違い」

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2016.3.3                Since 2011

~ 転ばぬ先の労務管理メルマガ ~

淀川労務協会  “実録”  労務 虎の巻  第57号

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ィス

― 社会保険労務士法人 淀川労務協会 -  です。

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このメールマガジンでは、私どもがこれまで顧問サービスとしてご提供してきた
人事・労務・社会保険等に関する事例や情報の中から、特に皆様に知って頂き
たい事例を毎回2ケース厳選しご紹介させて頂いております。

――――目次―――――――――――――――――――――――――――

【ケースNo.114】 [兼職禁止] 兼職禁止規定の有効性
【ケースNo.115】 [休暇  等] 休暇・休業・休職の違い

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【ケースNo.114】

当社では就業規則等で兼職を禁止していますが、労働者からこの規定は無効
だと主張されています。どう対応すべきでしょうか?

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まず、兼職禁止は就業規則や労働契約上の制限規定がなければ当然には認
められません。

こうした定めがあっても、勤務時間中はともかく、勤務時間外には、労働者は本
来、使用者の支配を離れ自由であるはずとして、その効力が争われることがあ
りますが、裁判所の大勢は就業規則で兼職を禁止することの合理性を、一応認
めています。

例えば、懲戒事由である「会社の承認を得ないで在籍のまま外に雇われたと
き」との規定について、「労働者が就業時間外に適度な休養をとることは、誠実
な労務提供のための基礎条件であり、また、兼業の内容によっては、会社の経
営秩序等を害することもありえるから、合理的である」としています。(小川建設
事件 東京地裁 昭57.11.19)

しかし、多くの裁判例は勤務時間外の時間については、本来、使用者の支配が
及ばないことを考慮して、例えば、「会社の企業秩序に影響せず、かつ、会社に
対する労務の提供に格別支障を来さない程度・対応の二重就職は、禁止規定
への違反とは言えない」と限定的に解釈しています。

さらに厚労省の報告書では、以下のように示しています。

・兼業を禁止または許可制とする就業規則の規定や個別の合意は、やむを得
ない事由がある場合(兼業が不正な競業に当たる場合、営業秘密の不正な使
用・開示を伴う場合、労働者の働きすぎにより生命・健康を害するおそれがある
場合、兼業の態様が使用者の社会的信用を傷つける場合など)を除き無効とす
るのが適当

・裁判例では、企業への労務提供に支障を来す兼業について、就業規則の兼
業禁止規定に基づく懲戒処分の有効性を認めたものがあるが、このような事案
は本来、現実に企業への労務提供に支障が生じた場合に、人事考課や懲戒に
おいて対処されるべきで、一律に兼業禁止により対処することは適当ではな
い。

以上を踏まえ、兼職禁止規定そのものは必ずしも否定されるものではありませ
んが、実際の運用については個別事案を精査して慎重に対処すべきものと考え
ます。

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【ケースNo.115】

「休暇」「休業」「休職」の労務用語の使い分けがわかりません。教えて下さい。

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① 休暇

「休暇」には労働法等法令によって定められた「法定休暇」と、就業規則等で任
意に定める「法定外休暇」とがあります。法定休暇には、労基法で定める「有給
休暇」や「生理休暇」、育介法で定める「子の看護休暇」や「介護休暇」があり、
法定外休暇としては、「慶弔休暇」や「特別休暇(罹災休暇、リフレッシュ休暇、
記念休暇等)」といった会社が任意で与えるものがあります。
この中には無給でも問題ない休暇がありますが、通常の私事欠勤と違い無給
休暇の取得は権利として休暇を取得することになりますので人事評価(勤怠評
価)等でマイナス査定されることはありません。つまり、堂々と休めるということで
す。

② 休業

「休業」には労基法で定める「産前産後休業」や育介法で定める「育児介護休
業」があります。これらの休業についても労働者からの請求によってその権利が
発生しますが、休暇と違いその取得単位が一定期間連続しており比較的長期
に渡るものをいいます。

③ 休職

「休業」と同様に比較的長期にわたって労働を免除するものに「休職」があります。
例えば、傷病のため長期療養が必要になった場合の「傷病休職」や起訴拘留さ
れ就業できなくなった場合の「起訴休職」、会社の指示で出向する場合の「出向
休職」などがあります。
いずれも何らかの事由により業務に従事できない社員に対して、一定期間社員
としての身分を保有させたまま労務の提供を免除・拒否する制度のことを言い
ます。

育介法2条1号に関する行政通達では、『「休業」とは、労働契約関係が存続し
たまま労働者の労務提供義務が消滅することをいい、労働基準法第89条第1
号の「休暇」に含まれること。「休暇」と「休業」と厳密に区分する基準はないが、
「休暇」のうち連続して取得することが一般的であるものを「休業」としている用
語例にならったものであること。』としています。
つまり、「休業」は、就業規則を作成する上では「休暇」として扱い、絶対的必要
記載事項(必ず記載しなければならない事項)に該当するとし、またそれぞれに
ついて明確に区分する基準がないことを前提とした上で、通常連続して取得す
ることができる、長期的に労務の提供義務を消滅させるものを「休業」、対して単
発あるいはその都度といった短期的に労務の提供義務を消滅させるものを「休
暇」としているようです。

また、「休職」については、長期に及ぶことから「休業」に含まれると考えられま
すが、「休職」の場合は休職期間満了日において休職事由が消滅せず復職でき
ないときは「休職期間満了による退職」となることがある点は「休業」とは異なる
ところです。

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☆本件についてのお問い合わせは淀川労務協会コンサルティング業務部門ま
でお願いします。
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