私たちの卓越した専門性とノウハウで貴社の人事労務体制と組織力をより高いステージに導きます

人事労務のQ & A

採用

内定者に対して入社前研修の参加を強制することはできますか?

当社では毎年、新規学卒内定者に対して入社前研修を実施しています。今回、ある内定者が私用を理由にして研修不参加の連絡をしてきました。
このような内定者に対して、入社前研修の参加を強制することはできるのでしょうか。

内定とは会社側からみると「実際に労働を開始する日を当事者間で合意された日とし、それまでの間に内定通知書等に記載された内定取消事由に該当する場合は内定を解約できる状態(解雇権留保付就労始期付労働契約)」ということができます。つまり、働いてもらう権利はすでに確保されているものの、その権利を行使できる日がいまだ到来していない状態ともいえます。

参加を強制する研修は、通達や判例(昭26.1.20 基収2875、平11.3.31 基発168)において、その参加時間は労働基準法上の『労働時間』として扱われる可能性が高くなります。

かたや、前述のとおり、内定段階では会社は内定者に対して働いてもらう権利を行使できない(労働させることができない)ため、研修参加を強制することはできない、といえます。

労働時間

半日年休を取得した日の時間外労働はどう対応したらいいのでしょうか?

当社は8時~17時(正午より休憩1時間)を始業終業時刻としています。このたび午前中に半日年休(4時間)を取得し、午後から出社して定時後に残業した従業員がいます。
やはり、定時後の残業については、時間外労働として割増賃金を支払う必要があるのでしょうか。

年次有給休暇を取得した時間は、賃金は支払われるものの労働は免除された時間ですので、労働時間として扱う必要はありません。

労働基準法では1日8時間(法定労働時間)を超えて労働させた場合に割増賃金を支払う必要があるとしていますので、本件では、出社した13時から考えて8時間を超える部分から、時間外労働として割増賃金を支払う必要があります。(22時~翌日5時までの深夜時間帯には深夜割増が必要ですのでご注意下さい。)

賃金・退職金

固定残業手当を適法に支払うためにはどういう要件がありますか?

当社では基本給に一定の固定残業分を含めて従業員の賃金を決定し、支給しています。

従業員には口頭で簡単に説明していましたが、ある従業員から違法ではないか、との申し出がありました。

固定残業分が含まれているので、この他には割増賃金を支払っていませんが、固定残業手当を適法に支払うためにはどういう要件があるのでしょうか。

固定残業手当を支払うこと自体は労働基準法に違法するものではありませんが、適法に運用するためには次のような要件を満たす必要があります。

  • 固定残業手当が基本給から明確に区別されていること
  • 実際の時間外労働に対する割増賃金が固定残業手当を超えている場合、その差額を支給すること

よって、本件では少なくても基本給と固定残業手当を切り離して支給する必要があります。この対応に併せて、就業規則(賃金規程)に固定残業手当の定義(何時間分の時間外労働分なのか等)を規定して、従業員代表の意見聴取の上で管轄労働基準監督署に変更届出をし、従業員に周知して下さい。

この際、これまで口頭での説明だけであったためにその趣旨が従業員に周知できていなかった場合は、事実上の不利益変更となる可能性が考えられます。このような場合には、従業員の同意が必要となるなどの労働契約法の規定に基づいて労働条件の変更を行う必要がありますのでご注意下さい。

なお、上記の考え方は年俸制における割増賃金も同様の取扱いとなりますので、年俸制を導入されている場合はご確認下さい。

懲戒解雇となった従業員の退職金を全額不支給としても問題ありませんか?

このたび、職務経歴を詐称して入社した事実が発覚した従業員を懲戒解雇することになりました。懲戒解雇ですので退職金は全額不支給にするつもりですが問題ありませんか。

まず、懲戒解雇となった従業員の退職金を全額不支給とするためには、その旨が就業規則に規定されている必要があります。しかしながら、就業規則に規定されていれば、いかなる場合でも懲戒解雇の際に退職金を全額不支給とすることができる、ということにはなりません。

退職金を全額不支給とする措置をとる場合は、それが懲戒解雇によるものだとしても、退職金の支給については、懲戒解雇処分となった行為の内容や程度、諸般の事情を総合的に考慮して慎重に判断することが求められます。判例においては「労働者の長年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為の存在が必要である」としています。(小田急電鉄事件 東京高裁 平15.12.11判決 労判867-5等)つまり、重大な刑罰に該当するようなときや、重大な故意・過失等により会社に多大な損害を与えたとき等が該当すると考えられます。

よって、本件のケースにおいては、“職務経歴の詐称”という行為から退職金を全額不支給は難しく、一部不支給が相当ではないかと判断されます。(なお、退職金の不支給や減額は、あくまでも諸般の事情等を総合的に考慮の上で個別に判断するべきですので、一概に上記の通りの対応が正しい、というわけではありません。)

異動・配置転換

転勤命令はいかなる場合でも認められるのでしょうか?

労働力の適正配置を目的として、ある従業員に転勤を命じたところ、重度の介護が必要な両親がいることを理由に転勤を拒否しました。転勤命令を出す際に、従業員の個別事情を考慮する必要があるのでしょうか。

人事施策の一環としての転勤命令は、業務上の必要性があり、就業規則等に「業務上必要な場合は転勤を命じることができる」と規定されていれば、転勤命令についての包括的合意(将来に転勤命令があった場合にはその指示に従うという事前の合意)があったものとされ、原則として従業員は転勤命令に従わなければなりません。

しかしながら、次のようなケースに該当する場合には、転勤命令は会社側の人事権の濫用とみなされ、転勤命令が無効となることがありますのでご注意下さい。

〔権利の濫用となる場合〕
  • 業務上の必要性がない
    • ※転勤に合理的な必要性があれば、「その従業員以外に対象者がいない」というような高い必要性までは求められません。
  • 不当な動機によるもの
    • ※報復人事による転勤命令や、整理解雇に伴う嫌がらせなどに該当すると認められる場合は、権利の濫用となります。
  • 雇用契約において勤務地限定特約がある
    • ※採用時に勤務地を限定する特約を締結している場合は、原則として従業員の同意を得ない限り権利の濫用となります。
  • 従業員に著しい不利益がある
    • ※従業員への不利益を理由とした判例は相当数に上りますが、その多くは転勤命令は権利の濫用にならない、と判断されています。特に、従業員の家庭の事情に対する配慮(住宅手当、別居手当、帰省旅費補助など)をしているような場合には、転勤命令の有効性は高くなる傾向がみられます。

      なお、共働き夫婦における重症のアトピー性皮膚炎の子を養育しているケースや、痴呆症状態にある親の介護が不可能となるケースなどでは、不利益が著しいとして転勤命令は権利の濫用とする判例もあります。

本件では、上記のうち「従業員に著しい不利益がある」に抵触する恐れがあるか否かを慎重に判断の上、転勤命令の有効性を検討する必要があります。また、育児介護休業法には「事業主は、労働者を転勤させようとするときには、育児や介護を行うことが困難となる労働者について、その育児又は介護の状況に配慮しなければならない」と規定していますので、これらの点を考慮すると、両親を介護できる代替者のいないような場合には、転勤命令が権利の濫用とされる可能性が高くなると言えます。

休暇制度

退職予定者から請求があれば未消化分の年次有給休暇を全て与える必要があるのでしょうか?

このたび、退職することが決まっている従業員から、未消化分の年次有給休暇の全てについて取得の請求がありました。
このような前例は作りたくないので認めたくないのですが、従業員の請求を拒否することはできるのでしょうか。

原則として、年次有給休暇の取得を制限することはできないため、従業員の請求を拒否することはできません。

なお、会社には事業の正常な運営を妨げる場合に限り、年次有給休暇を請求された日を変更する権利(時季変更権)がありますが、あくまでも「取得日を変更する権利」であって、「取得する権利を消滅させる権利」ではありません。したがって、退職予定日までの所定労働日の全てが年次有給休暇の請求日である場合は、変更する日がないことになるため、事実上は時季変更権を行使することができない、ということになります。

 上記のとおり、法令上は従業員の請求を拒否することはできない以上、業務の引継ぎなどのためどうしても出勤させたい場合などは、従業員との話し合いによって折り合い(出勤により消化できなくなる分を買い上げる、等)をつけることになります。

就労可能との診断書を提出した休職者は必ず復職を認めないといけませんか?

メンタルヘルス不調により休職していた従業員が、「就労可能」と記載された主治医の診断書を提出してきました。会社としては、本当に復職できるのかどうか心配なのですが、このような場合は復職させる必要があるのでしょうか。

復職は、原則として、休職前の職務を通常の程度に行える心身両面の健康状態まで回復し、就労可能であると判断される際に認めるものですので、主治医の診断書があるという理由だけで、直ちに復職を認めなければならない、ということにはなりません。

 主治医の診断書は復職可否おける重要な判断材料のひとつではありますが、復職後に就く職務内容などを考慮していないようなケースも見受けられるため、適正な判断を行うための手段として、次のようなことが考えられます。

  • 本人同意の上で主治医と面会して具体的な意見を聴く
  • 会社の指定医の診断をうける
  • 産業医から主治医に対して具体的な意見を聴いてもらう、など

そして、上記の内容を十分に考慮した上で、最終的な判断は会社が行います。

なお最近は、復職の前段階として、具体的な業務に就かない「リハビリ出勤(試し出勤)」制度を導入する企業も増えてきています。ちなみに、出勤はしていても業務に就かないということは“労働”という性質がないため、労災や通勤災害の補償が受けられないことになりますので、事前に本人に説明の上で同意をとっておくなど注意が必要となります。

懲戒処分

懲戒処分は必ず懲戒委員会に諮る必要がありますか?

当社の就業規則には、従業員へ懲戒処分を科すときは、社内の懲戒委員会に諮って処分内容を決定する規定がありますが、実際には懲戒委員会を開催せず、人事責任者の独断で処分を決定しています。
このような運用実態は問題はあるのでしょうか。

懲戒委員会を開催する法令上の義務はありませんが、就業規則や労働協約において懲戒委員会に諮る旨が規定されている場合は、その規定を無視して行った懲戒処分は手続きに瑕疵があるとされるため、原則として懲戒処分が無効になる可能性があります。(懲戒権の濫用)

ただし、懲戒委員会の構成メンバーである労働組合側が正当な理由なく開催を拒否するなどの特別な事情がある場合には、懲戒権の濫用には該当せず、懲戒処分が有効となるケースはあります。

また、就業規則や懲戒委員会の運営内規等において「軽微で即決することが適当と考えられる事案については、懲戒委員会への付議を省略することができる」などの規定がある場合も、この規定に該当するような事案であれば、懲戒処分は有効となるものと考えられます。(この場合でも、労働組合や従業員代表との事前協議の上で了解を得るほうが無難)

なお、懲戒委員会を開催するか否かにかかわらず、適正手続きの観点から、本人の非違行為が明白で弁明の余地がない場合などを除き、原則として本人に弁明の機会を与えた上で処分内容を決定することを推奨します。

退職・解雇

試用期間中の従業員の解雇は比較的安易に行ってもよいのですか?

当社では入社から3ヶ月間を試用期間としてます。
現在、試用期間中の従業員が、期待していた程の能力レベルではなさそうなので、解雇したいと考えています。試用期間中ということもありますので、通常の解雇よりもハードルは低いと考えてもよいのでしょうか。

試用期間とは、その期間中の勤務ぶりや能力等を観察することにより職務適性を判断するための期間、をいいます。もし適性がないと判断される場合は、本採用を拒否(解雇)することができます。

ただし、一般的に正社員の解雇よりも比較的広い裁量権が認められるとされているものの、あくまでも客観的に合理的な理由もなく、また社会通念上相当として認められないような場合は、解雇は無効であることはいうまでもありません。なお、本件については、試用期間中に能力向上を目的とした指導を行ったか否かなども解雇に合理性を与える要素となると考えられます。

いずれにせよ、「客観的な合理性」や「社会通念上相当」か否かについては、十分な検討した上で慎重に判断して下さい。

就業規則

周知されていない就業規則は効力があるのでしょうか?

当社には以前に作成した就業規則があります。この就業規則は、従業員代表への意見聴取を行い、労働基準監督署にも届け出をしていますが、今まで従業員に公開したことはありません。
このような周知されていない就業規則はそれ自体に効力があるのでしょうか。

労働者数が常時10人以上の事業所は、就業規則に関して以下のような義務があります。

  • 就業規則を作成する。
  • その内容について従業員代表の意見を聴取する。
  • 管轄労働基準監督署へ届け出る。
  • 労働者へ周知する。

上記のうちどれが重要なのかという点については見解が分かれるところですが、最高裁判例によれば「就業規則は、その内容の適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られることにより、拘束力を生ずる」とされました。(最判平15.10.10判時1840・144、判タ1138・71)

つまり、従業員代表の意見を聴取して労働基準監督署に届け出ていても、労働者に周知されていない場合には、その就業規則に効力はない、ということになります。

逆に考えれば、労働者に周知されているが意見聴取や届出をしていない就業規則は有効なのか?ということになりますが、そもそも意見聴取等は労働基準法で定められた義務ですので、必ず、上記の4つの全てを実施しておくことが必要であることは言うまでもありません。

なお、就業規則の周知方法としては、できれば労働者の一人ひとりに就業規則を配布することが望ましいですが、労働者がいつでも見ることができるような場所に備え付ける等の方法であれば問題ありません。ちなみに、近頃では社内イントラネット上で公開するケースが増えてきているようです。

安全・衛生

定期健康診断にかかる費用は会社が負担しなくてはいけないのでしょうか?

社員に定期健康診断をしているのですが、会社が費用を負担しなくてはいけないのでしょうか。
また、会社指定の医療機関でなく、別の医療機関でしたいという者もおります。こういう社員に対しても、そのかかった費用を負担しなくてはいけないのでしょうか。

安全衛生法は会社に対し労働者の健康診断実施を義務付けていますが、費用負担については触れていません。
しかし法が健康診断(一次健康診断)実施義務を会社に負わせている以上、会社が費用負担するのも当然だと考えられます。通達にも「(安衛法66条)第1項から第4項までの規定により実施される健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものである」(昭和47.9.18 基発602)と記載しています。

ただし、上記のとおり会社が費用負担すべき健康診断は法66条第1項から第4項に定める健康診断であり、第5項但し書きにより労働者自らが選択した他の医師又は歯科医師による健康診断を受診する場合は、会社は健康診断実施義務を解除されるので会社が当然に費用負担すべきことにはなりません。

次に、一次健康診断の結果、異常があり二次健康診断を受ける場合は、会社は二次健康診断の実施を義務付けられているわけではないので当然に費用を負担すべきものとはなりません。
しかしながら、安衛法は会社に対して、健康診断の結果、医師等の意見を聴取し必要がある場合は適切な措置を講ずべきことを義務付けており、二次健康診断もその措置の一つとして含まれると言えます。そのことから、二次健康診断に伴う費用も会社が負担することが望ましいでしょう。

なお、一次健康診断の際、特定の項目全てに異常が見られた場合は、労災保険より二次健康診断等給付が行われ、無料で受けることができます。

安全衛生委員会とは何ですか?

当社は常時使用する労働者数が50名を超え、安全委員会と衛生委員会を設置することになりました。どのようなメンバー構成が必要なのか、また何名の委員が必要なのか教えてください。

 安全委員会と衛生委員会を設置しなければならない事業場においては、安全衛生委員会としてひとつにまとめて運営されるほうが効率的です。構成メンバーとしては、安全管理者と衛生管理者、産業医は必ず参加が必要です。いずれも事業者の指名が必要ですが、複数名選任されていなければ当該担当者がそのまま委員会のメンバーとなるのが一般的です。
また、これらのメンバーは会社側の代表となりますから、事業者は、労働組合又は労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき、同数の労働者側の委員を指名しなければなりません。これで、会社側3名、労働者側3名となり、これに議長を加えると委員会が成立します。議長は、総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその実施を総括管理する者を選任しなければなりません。
 スタート時は、これ位のメンバーで委員会を構成し、従業員数が増え場合などに増員していかれてはどうでしょうか。

社会保険適用

退職後の健康保険について

退職後の健康保険はどうしたら良いですか?

退職後すぐに他の会社に就職される場合は、就職先の事業所で健康保険の加入手続きが行われますが、それ以外の場合は、下記3つのうちいずれかの手続きを行ってください。

1.退職前の健康保険に任意継続加入する
<手続き先>
退職前の保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)
<加入条件>
・退職日までに被保険者期間が継続して2ヶ月以上のあること
・退職日の翌日から20日以内に加入手続きをすること
<保険料>
原則、退職前の給与から控除されていた保険料を2倍した金額になります。

2.国民健康保険に加入する
<手続き先>
お住まいの市町村役場
<加入条件>
お住まいの市町村役場・国民健康保険担当課までお問い合わせください。
<保険料>
前年の所得や加入する世帯人数などによって決まります。また、お住まいの都道府県によって保険料率が異なります。

3.ご家族の健康保険の被扶養者になる
<手続き先>
ご家族の勤務先
<加入条件>
ご家族が加入している健康保険の扶養の条件を満たす必要があります。詳細はご家族の勤務先にお問い合わせください。
<保険料>
原則、被扶養者の保険料負担はありません。

被扶養者認定要件について

退職し失業給付を貰う予定ですが、健康保険の被扶養者になれますか?

被扶養者として認定されるための収入条件は、対象となる人の年収が130万円未満(60歳以上または障がい者の場合は180万円未満)です。
失業給付も収入とみなされますので、他に収入がなければ、1日当たりの支給額が以下の額であれば、失業給付を貰っていても被扶養者になることができます。

  60歳未満 … 1,300,000円 ÷ 360日 ≒ 3,612円未満
   60歳以上 … 1,800,000円 ÷ 360日 ≒ 5,000円未満

上記以上の金額であれば、失業給付の受給中は被扶養者にはなれません。ただし、失業給付を受けるために求職の申込みをした後も、給付金の出ない期間(7日間の待期や、自己都合で退職した場合は3ヶ月間の給付制限等)があります。この間については、被扶養者になることができます。

※被扶養者の認定要件は年収以外にもありますので、ご注意ください。

退職後の継続再雇用の手続について

定年後に引き続き嘱託で雇用されることになった場合、被保険者資格はどうなりますか?
60歳以上の方で、退職後継続して再雇用(1日も空くことなく同じ会社に再雇用されること)される方については、いったん使用関係が中断したとみなし、被保険者資格を喪失をした後、新たに資格取得をすることができます。
これにより、再雇用月より再雇用後の給与に応じて、保険料額が変更されます。 (再雇用後、社会保険の加入要件を満たしている方に限ります。)

※本制度は、従前は特別支給(60歳台前半)の老齢厚生年金の受給者の方のみが対象でしたが、平成25年4月1日より60歳以上の該当の方すべてに対象が拡大されました。

任意継続をやめた場合の保険料について

夫の被扶養者になったため、健康保険の任意継続をやめました。前納した保険料は還付されますか?
保険料を前納した期間の途中で次の理由により任意継続被保険者の資格を喪失した場合は、
その月以降の保険料が還付されます。
  
  1.加入者(ご本人)が就職して健康保険等の被保険者の資格を取得したとき
  2.加入者(ご本人)が後期高齢者医療制度に加入したとき
  3.加入者(ご本人)が亡くなったとき

上記以外の理由による前納保険料の返還はされません。

高齢受給者医療制度について

70歳になると医療費の負担割合が変わるのですか?
被保険者(本人)または被扶養者(家族)の方が70歳になると、75歳(長寿医療(後期高齢者医療制度に移行する)までの間、「健康保険高齢受給者証」が交付され、医療機関等で受診されるとき、健康保険証とあわせて高齢受給者証を提示する必要があります。1部負担の割合は以下の通りです。
  ●被保険者(本人)の標準報酬月額が28万円未満の場合・・・1割負担(※)、
                標準報酬月額が28万円以上の場合・・・3割負担
  ●被保険者(本人)が70歳未満の場合…その被扶養者(家族)である70歳から74歳
                           高齢受給者の自己負担割合は1割(※)
    ※一部負担金等の軽減特例措置により平成26年3月31日までは2割負担が1割となっています

社会保険給付

出産した場合に受給できる給付金について

出産予定ですが、何を申請すればよいですか?

【こどもが生まれた時】出産をした場合被保険者には「出産育児一時金」、被扶養者である家族には「家族出産育児一時金」が支給されます。
 ・支給額・・・1児につき42万円(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は39万円)
 ・支給方法・・・出産にかかる費用に出産育児一時金を充てることができるよう、協会けんぽから出産育児一時金を医療機関等に直接支払う仕組み(直接支払制度)となっています。(直接支払制度を利用しない方は、出産後に被保険者から申請して支給を受けることも可能です。)

【出産で会社を休んだ時】被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として「出産手当金」が支給されます。
 ※出産日は出産の日以前の期間に含まれます。また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。
 ・出産手当金の支給額・・・1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。
  ※標準報酬日額=標準報酬月額を30で割った額

退職後の出産手当金受給について

退職する予定ですが出産手当金をもらえますか?
以下の要件を満たせば、退職しても出産手当金を受給することが出来ます。
  1、退職日までに継続して1年以上、健康保険の被保険者期間があること。
  2、出産(予定)日以前42日(多胎妊娠は98日)から出産日後56日の途中で退職していること。
  3、退職日に出勤していないこと。

なお支給額は1日につき退職時の標準報酬日額の3分の2に相当する額となります。

※在職中の産休期間を有休で給与全額支給されていても退職日以降分は支給されます。

では具体的な例を示してみます
———————————————————-
出産予定日:5月10日 出産日:5月13日 退職日:3月31日
(3/30~3/31欠勤無給) 
———————————————————-
上記条件では 産前42日目:3月30日、 産後56日目:7月8日となります。

【被保険者期間:1年以上の場合】
退職日が3月30日~7月8日の途中であるため、3月30日から7月8日の
計101日間分の出産手当金を受給できます。

【被保険者期間:1年未満の場合】
3月30日~3月31日の2日間のみ出産手当金を受給できます。

退職後の傷病手当金受給について

傷病手当金をもらっていますが退職後ももらえますか?
以下の要件を満たせば、退職しても傷病手当金を受給することができます。
  1、退職日までに継続して1年以上、健康保険の被保険者期間があること。
  2、退職時に現に支給を受けているか、退職日までに待機期間が完成(連続して4日以上休業して退職)
    していること。
  3、退職日に出勤していないこと。

なお支給額は1日につき退職時の標準報酬日額の3分の2に相当する額となります。

※引き続き傷病手当金を受給している人が、一旦症状が回復し労務不能の状態でなくなった場合、傷病手当金はその時点で打ち切りとなります。(受給開始から1年6ヶ月以内でも、再び労務不能となった場合に傷病手当金の残りを受給することはできません。)

※退職後に傷病手当金を受給する人が老齢厚生年金も受けることができる場合、傷病手当金は支給されません。ただし傷病手当金支給額よりも年金支払額が少額であれば、その差額が支給されます。

※退職後に雇用保険の失業給付を受給するときは、労務不能とは見なされないため傷病手当金を受給することはできません。

健康保険限度額認定証について

病院から「健康保険 限度額認定証」を持ってくるように言われました。どのようなものですか?
医療費の支払が高額負担となった場合、支払の後「高額療養費支給申請書」で請求することで、健康保険から自己負担限度額を超えた額の払い戻しを受けることが出来ます。しかし、一時的とはいえ、高額な支払いは大きな負担になります。
そこで、70歳未満の方は、事前に申請して【限度額認定証】の交付を受け、健康保険証とあわせて医療機関に提示すると、1ヶ月(1日~末日)の支払が自己負担限度額までで済むことになります。

※自己負担限度額(平成25年12月現在)
 上位所得者(標準報酬月額が53万円以上) : 150,000円+(かかった医療費-500,000円)×1%
 上位所得者以外 : 80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1%
  (入院時の差額ベッド代や食事代など、保険外の負担分は対象外)
  (月毎に、受診者別、医療機関別、医科・歯科別、入院・通院別で計算)

※同じ月に複数の病院での負担が高額になった場合など、「高額療養費支給申請書」によって払い戻しを受ける手続が必要になることがあります。

年金

失業給付と年金との調整について

特別支給の老齢厚生年金を受給していますが、退職して失業給付を受けると、年金の支給はどうなるのでしょうか?

65歳になるまでの老齢厚生年金は、雇用保険の失業給付を受けるときは失業給付が優先され、年金が支給停止されます。

【調整の基本的な仕組み】
求職の申し込みをした翌月から失業給付の受給が終了した月まで、年金が支給停止されます。ただし、失業給付を受けた日が1日もない月があった場合、その月分についての年金は後日支払われます。

-年金を受け取りながら失業給付を同時に受けられる場合もあります-

①年金は失業給付と同時には受けられませんが、失業給付受給中に65歳に到達した場合は、その翌月から年金の調整が行われず、失業給付と同時に受けられます。

②離職後、1年間の受給期間を延長する申し出をして、結果65歳以降から失業給付の受給が開始された場合は、65歳からの年金は調整されることなく、失業給付と同時に受けられます。

※求職の申込みをしたときは、『老齢厚生・退職共済年金受給権者支給停止事由該当届』を年金事務所に提出する必要があります。この届出をしないと、年金の支払いが一時保留されます。

雇用保険給付

失業給付の受給期間延長について

失業給付の受給期間を延長できるのはどのような場合ですか?

65歳未満で退職され、離職後原則1年の失業保険(基本手当)の受給期間内に、
下記①~⑤の理由で働くことができない状態が30日以上続いた場合や(最長3年間)下記⑥⑦の理由のように
定年等で離職してしばらく休養する場合(最長1年間)、受給期間を延長することができます。

①妊娠、出産、育児(3歳未満に限る)
 ②病気やけが(健康保険の傷病手当、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
 ③親族の介護
 ④配偶者の海外勤務に同行
 ⑤一定のボランティア活動等で、海外へ派遣される
 ⑥60歳以上の定年に達したことにより離職
 ⑦60歳以上の定年後の再雇用(勤務延長)等による継続雇用の期間終了により離職

※また、教育訓練給付の受講を希望している方にも訓練を受ける期間を延長することもできます。

退職後の失業給付受給について

出産のため退職する予定ですが、失業給付をもらえますか?

失業給付は「就職したい意思があり、就職できる能力があるにもかかわらず再就職できない場合」に受給できるため、妊娠・出産での退職の場合は就職する能力がないとみなされ、失業給付をもらうことはできません。
 ただし、受給期間を延長することができます。
失業給付の受給期間は、原則として、退職した日の翌日から一年間です。
その間に病気やけが、妊娠・出産・育児など一定の理由により引き続き30日以上働くことができない場合、働くことのできなかった日数だけ受給期間を延長することができます。

【延長期間】最長3年間
  【申請期間】退職日の翌日から30日経過後1ヶ月以内

高年齢雇用継続給付制度について

60歳以降、賃金額が低下しましたが、受け取ることができる給付金などはありますか?

60歳以降、引き続き雇用が継続している方、または失業給付の基本手当を受けることなく再就職した方が、60歳の到達時(60歳の誕生日の前日)の賃金にくらべて75%未満に低下した場合は「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取ることができます。

〈支給要件〉
・60歳以上65歳未満の方
・雇用保険の一般被保険者であること。
・雇用保険の被保険者期間が通算して5年以上あること。
・支給対象月の全期間に渡って育児休業給付金又は介護休業給付金の支給対象となっていないこと。

〈支給額〉
・支給対象月の賃金の低下率が61%以下の場合: 支給対象月に支払われた賃金×15%
・支給対象月の賃金の低下率が61%超75%未満の場合: 支給対象月の賃金×一定の割合(15%~0%)
・支給対象月の賃金の低下率が75%以上: 支給されません。
(支給額には、上限額、下限額があります。)

※受給に際しては、在職老齢年金との併給調整が行われ、年金の一部が減額される場合があります。